可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「……大丈夫? すごくお金がかかっているみたいだけれど」

 アイリスは心配になってブロンズを見る。

「のちに驚かれるかもしれませんので、先に打ち明けておきます。旦那様は本日、他にも持ち返られると思います」

 数時間後、ヴァンレックが帰ってきた時に、アイリスはその正体を知った。

 それは、ダイヤが美しい髪留めだった。

(金額がっ、上がっていっている……!)

 アイリスは衝撃を受けた。

 花束が終わったかと思ったら、以降は身に着ける物が毎日増えていくことになる。

 ◇∞◇∞◇

 騎士団側の執務室で雑務を処理したアイリスは、力なく戻る道を進んでいた。

「……いったい、いくら分の装飾品なの……」

 今日の彼女は新しいドレスを着ていた。片方の髪の横を三つ編みにして、少し大きめの髪飾りで留めている。

 雰囲気を変えられていいと思いますよと騎士たちは告げてきたが、アイリスにそんな意図はなかった。

 せっかくなので着けないともったいない。

 そんなメイドたちの意見はもっともで、朝に身支度で仕上げられた。
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