可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「そ、そんなことないわよ」
「一昨日からずっと買ってきてくれているミニケーキ、また別の種類を買ってくるってパパが言ってたでしょう?」
「言っていたわね」
「その時のアイリス、嬉しそうだったもん」

 つい、何か意味があるのかしらと乙女チックな気分になった。それを『癒されていた』と察知されたわけではなかったようだ。

 アイリスはホッとして、言う。

「それは、食べたいかどうか尋ねてくださったからよ。早めに戻るとおっしゃっていたし、予定も組みやすいわ。その時間には、おやつタイムにしましょうね」
「うん、三人でのおやつ大好き!」
「よかっ――」
「でも、パパばっかり褒められてるもん」

 珍しくアリムが声をかぶせてきた。

(……それが不服の理由なのね)

 でも、そんなことしていただろうか?

 念のため思い返してみたが、大丈夫だとすぐに安心する。アイリスはここ数日、意識してヴァンレックとは節度ある心の距離感をたもっていた。おかげで朝食からの始まりも含め、支障は出ていない。
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