可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「あ、思い出したわ。絵本の数が少ないと思う」

 なぜか、ブロンズの肩がびくっとはねる。

「確かにそうですね」
「だからアリムの愛読書があの図鑑になっているのではないかしら。ブロンズ、ヴァンレック様は子供相手への苦手意識は薄れてきたみたいだけれど、不足していることはまだまだあるみたいね」

 目を向けると、ブロンズが珍しく視線を逃がしながら答えてくる。

「さ、さようですな。旦那様も子育ては初めてですので……」
「よければ今日か明日に、外出予定を組めないかしら?」
「雪が多く降っています。あと数日は風も少し強めの予報です」

 窓の外は、珍しく空気まで白く見えた。

 連夜、大吹雪に見舞われていた。

 朝日が昇る時間になると風が急に変化するのを見ると、アイリスも神獣のいい伝えを感じて『魔法みたい』と思ったものだ。

「だからよ。この中で絵本の業者に来てもらうのも申し訳ないし、自分で選びたいの。町に出てみようと思って」

 自分についての噂を聞くことになるかもしれない。
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