可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 それならアイリスも『パパ』の望むようにしよう。

 狼の姿になれることは、悪いことではない。成長の一歩として喜ぶべきものだと。

「成長おめでとうアリム!」

 アイリスは、飛んできた仔狼を思いきり抱き締めた。

「偉いわ! すごいわ!」
「あはははっ、くすぐったいよ~!」

 もみくちゃに撫でまくって、全身で褒めまくる。

「小さな銀色の狼かわいい~!」
「好き?」
「大好きよ! これからこの姿も大きくなっていくのかしらね」

 ヴァンレックの身長と、狼に変身した際の大きさがかなり違うことからして、狼の姿の成長速度は違う気がする。

「うん、どんどん大きくなっていくと思うよ」
「じゃあ、好きなものも含めてもっと食べていかなくちゃね。たくさん遊んで、体力もつけて――」

 なんてもふもふな触り心地だろう。うっとりとした一瞬後、アイリスは手に触れたぱたぱたと動くちいさな翼にハタとする。

(そういえば……なんで背中に小さな翼がついているのかしら?)

 これも祖先の神獣の影響なのだろうか。
< 270 / 381 >

この作品をシェア

pagetop