可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
(ヴァンレック様の背中にはないから、小さい時だけついている、とか?)
思わず翼を指でつまむと、ヴァンレックがハッとした。仔狼もハッと固まる。
「ア、アイリス、これは……」
「あのね、僕の〝それ〟は」
ヴァンレックに続いて、アリムがぱくぱくと口を開く。
まずい、そう二人の顔に出ていることにアイリスは気付いていなかった。
「幼体の時には小さな翼がついているのね? 不思議ねぇ」
「えっ」
「もしかして翼がなくなる頃には人化の成長を迎えたり? 目安だったりするのかしら。あっ、そうすると、そう遠くないうちに耳と尻尾も人化できるようになるのかしら。見られなくなっちゃうのは少し寂しいわね」
急に仔狼が脱力する。
「……アイリスが鈍くて初めて助かったと思った」
「ア、アリム、なんてこと言うのっ。私は鈍くなんてありませんっ」
「あー、アイリス? アリムの耳と尻尾は俺と違ってたぶん――いやっ、俺の時もすぐには人化しなかったっ」
話し始めたヴァンレックの声が、唐突に大きくなる。
思わず翼を指でつまむと、ヴァンレックがハッとした。仔狼もハッと固まる。
「ア、アイリス、これは……」
「あのね、僕の〝それ〟は」
ヴァンレックに続いて、アリムがぱくぱくと口を開く。
まずい、そう二人の顔に出ていることにアイリスは気付いていなかった。
「幼体の時には小さな翼がついているのね? 不思議ねぇ」
「えっ」
「もしかして翼がなくなる頃には人化の成長を迎えたり? 目安だったりするのかしら。あっ、そうすると、そう遠くないうちに耳と尻尾も人化できるようになるのかしら。見られなくなっちゃうのは少し寂しいわね」
急に仔狼が脱力する。
「……アイリスが鈍くて初めて助かったと思った」
「ア、アリム、なんてこと言うのっ。私は鈍くなんてありませんっ」
「あー、アイリス? アリムの耳と尻尾は俺と違ってたぶん――いやっ、俺の時もすぐには人化しなかったっ」
話し始めたヴァンレックの声が、唐突に大きくなる。