可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
アリムの成長に『母親役』は必須だと判断したから、王家はヴァンレックを結婚させることにしたのだ。そしてエティックローズ侯爵家は、貢献します云々と調子よく言って、アイリスを差し出した。
貴族たちは、嫁いでくれるのなら自分の娘を恐ろしい獣化の大公に差し出さずに済むと反対せず――そうしてアイリスは、ヴァンレックの〝妻〟になったのだ。
「アイリス、天気も落ち着いたと思わないか」
じーっと見つめていたら、ヴァンレックが視線を天井へと逃がして、唐突にそんなことを言った。
「そうですね……?」
「絵本を見繕いたいと言っていただろう」
「あ、アリムの成長祝いですっかり忘れていました」
昨日、積み木の支度をアリムがメイドたちと楽しそうにやっている間に、こそっとヴァンレックに報告してはいたのだ。
「アリムのお祝いだ、町に出ないか?」
「いいのですか? アリムも一緒?」
思わず重ねて確認してしまったら、ヴァンレックが「ぐっ」と何やら空気を口に溜め込み、腕を組んで上を向く。
かなり力を入れているのか、腕がぎりぎり音を立てている気がする。
貴族たちは、嫁いでくれるのなら自分の娘を恐ろしい獣化の大公に差し出さずに済むと反対せず――そうしてアイリスは、ヴァンレックの〝妻〟になったのだ。
「アイリス、天気も落ち着いたと思わないか」
じーっと見つめていたら、ヴァンレックが視線を天井へと逃がして、唐突にそんなことを言った。
「そうですね……?」
「絵本を見繕いたいと言っていただろう」
「あ、アリムの成長祝いですっかり忘れていました」
昨日、積み木の支度をアリムがメイドたちと楽しそうにやっている間に、こそっとヴァンレックに報告してはいたのだ。
「アリムのお祝いだ、町に出ないか?」
「いいのですか? アリムも一緒?」
思わず重ねて確認してしまったら、ヴァンレックが「ぐっ」と何やら空気を口に溜め込み、腕を組んで上を向く。
かなり力を入れているのか、腕がぎりぎり音を立てている気がする。