可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「ヴァンレック様?」
「アリムも……一緒だ……そう言えば警戒心をなくして君のドレスも買える計画……」

 正直者の彼が何やら続けた気がした。

 一緒、のあとの声が口の中にくぐもりすぎて聞き取れない。

 でもそんなことより、アリムも連れていけるというのがアイリスにとって吉報だった。

「アリムの好みな絵本を選べますね!」
「う、うむ、そうだ。昨夜寝かしつけながらどうかと聞いてみたんだ」
「きっと喜んだでしょうね。それで朝食もご機嫌だったんですね」

 変身の授業とやらで『パパ』と一緒にいられる時間が増えるのも嬉しいし、外に出られるのも楽しみなのだろう。

「あの子も変身できるようになったから、そろそろ外を歩いても大丈夫だ」

 何か、そういう〝手順〟のようなものがあるのだろうか。

(狼の姿になれる前は、人の姿のまま暴走する確率も高いとか……?)

 そうだとすると、ヴァンレックがしばらく使用人たちを近付けさせないみたいにアリムに構っていたのも、騎士たちだけが交流があったことも、うなずける気がする。
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