可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 それでもアイリスは幸せだった。

 今の暮らしを、とても楽しいとも感じている。

 期間限定だけれど、こんな雰囲気が一日でも長く続けばいいと思う。


 午後の三時、玄関ホールで待ち合わせることになった。
 今日からヴァンレックが屋敷にいるので、アリムとの時間は少し短くなった。その間は大公妃教育に専念するといいとヴァンレックは言っていた。

 アイリスとしても、アリムが『パパ』とたくさん交流できる機会だ。

 狼に変身できる者にしか教えられない授業内容だとしたら、邪魔もしたくない。修行は騎士団側でするそうだ。

「アリムの注意力が散漫にならないためにも……」
「大丈夫です。執務室への行き気が必要な際には、ブロンズに任せますね」

 と、答えたものの、休憩時間で合流した際には気になっていた。

 普段アリムがどんな〝授業〟を受けているのかも分からない。まだ六歳なので、無理のないものなのか、体力は大丈夫か、とかいろいろと考えてしまう。

 二人はまったく授業について口にしない。
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