可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 相変わらずだ。

 時間を置いても、結婚して籍が変わっても、変わらないのかと失望感が込み上げる。つまり死亡してないのなら義額として縁がある状態なので、彼らは『妻の家族として大公の恩恵を受けよう』といやらしくも考えたのだ。

(私を通して、ヴァンレック様から窃取しようと考えるなんて)

 しかもここから王都までは、早馬で二週間はかかる。

 それなのに、まるで大急ぎで来るのがお前は当たり前だと言わんばかりに、挙式の二週間と三日前の告知だ。

 この招待状はヴァンレックとの連名なのに。

「なんて、バカにした人たちなの」

 縁を切ったも同然と言わんばかりに連絡一つなかった。

 それなのに、アンメアリーの結婚をきっかけに存在を思い出したのだろう。生きているのを知って、それならさらに活用しようと考えた――。

(許せない)

 屈辱のあまりアイリスは手が震えた。

「私を通してヴァンレック様にまで手を出そうとするなんて。この手紙が、先に彼の目に留まるなんて考えなかったわけっ?」
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