可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
どうすればいいのか分かっている。アイリスが、大公妃でなくなれはいい。
こんな面倒な家族がいるかぎり、ヴァンレックの足を引っ張ってしまうだろう。アリムに何かあったらどうするのだ。
それなのに――。
「どうしたらいいか分からない」
目が潤み、出たアイリスの声は情けなく震えていた。
思考は完全に停止した。
こんなこと経験になくて、戸惑いのあまり気付けばベルを鳴らしていた。
「失礼いたします、奥様いかがされ……まぁっ、奥様!」
ぼろぼろと泣いているアイリスを見て、メイドが悲鳴を上げ、エプロンスカートを両手で握って駆け寄る。
「お、おねが……ブロンズを、呼んで……」
「は、はい、かしこまりました」
すぐにと告げ、メイドは走って出ていった。
全速力で駆けてくれたのだろう。ほどなくしてブロンズが到着した。
「奥様、いかがされたのですか」
彼は状況を見るなり、血相を変えて駆け寄り、ハンカチでアイリスの涙を拭いにかかる。
さすが獣人族だ。先程のメイドも含めてすでに数名同行しており、ブロンズが温かいお湯とタオルの用意を指示していた。
こんな面倒な家族がいるかぎり、ヴァンレックの足を引っ張ってしまうだろう。アリムに何かあったらどうするのだ。
それなのに――。
「どうしたらいいか分からない」
目が潤み、出たアイリスの声は情けなく震えていた。
思考は完全に停止した。
こんなこと経験になくて、戸惑いのあまり気付けばベルを鳴らしていた。
「失礼いたします、奥様いかがされ……まぁっ、奥様!」
ぼろぼろと泣いているアイリスを見て、メイドが悲鳴を上げ、エプロンスカートを両手で握って駆け寄る。
「お、おねが……ブロンズを、呼んで……」
「は、はい、かしこまりました」
すぐにと告げ、メイドは走って出ていった。
全速力で駆けてくれたのだろう。ほどなくしてブロンズが到着した。
「奥様、いかがされたのですか」
彼は状況を見るなり、血相を変えて駆け寄り、ハンカチでアイリスの涙を拭いにかかる。
さすが獣人族だ。先程のメイドも含めてすでに数名同行しており、ブロンズが温かいお湯とタオルの用意を指示していた。