可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「こんなに年齢は離れているが、その分知識はある。アリム様のことでも、なんでも、相談したいことがあったらいつでも気軽に連絡してくれ。妻も喜ぶだろう」

 嘘を吐いているか、いないのかくらいアイリスでも判断はつく。

「ありがとうございます……何かあれば、相談させてください」

 そう答えたのも初めてで、彼女は熱くなった耳を揉んだ。嬉しさが口元に滲み出ているだろうなと感じて、照れ隠しで視線を落としてしまう。

(味方が一夫婦いるだけで、ここにいる緊張感も軽くなるわ)

 隣からヴァンレックが、嬉しそうに見つめていることにも気付かない。

「リッジソロミュー公爵、感謝する」
「いいえ大公、人柄を見ると、相談相手を買って出たくなったのです。私としても、陛下のへのいい土産話ができました」

 リッジソロミュー公爵は「新婚夫婦に幸がありますように」と意味深に微笑み、はちみつを混ぜた紅茶を美味しそうに飲んだ。

 ◇∞◇∞◇

 一日半、たっぷり王都の屋敷を楽しむことなった。

 それはアリムに心置きなく過ごしてもらうと同時に、挙式へ出席するための準備もぬかりなく進めるためだ。
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