可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
はにかみ答えるアイリスを見て、特別な絆や気持ちが育っていないなんて信じる者はいないだろう。
「いつまでも見守っていたくなる〝いい夫婦〟ですねぇ」
衣装部屋の入口から覗き込んでいたシーマスが、くくっと喉を鳴らす。
「戦でも社交の場でもあんなに勇ましいお方が、なかなか踏み出せないでいるのは、もどかしいですがね」
ブロンズが告げると、主人本人が手伝いに入ってしまって出番がなくなったメイドたちが、同意してうんうんとうなずく。
「生涯たった一人だけの伴侶を迎える性質ゆえでしょう。あんなにせっせと狼の貢物をされているのに、たった一言の好意を伝えるのが難しいなんて、見ていて平和な光景で、俺らとしては嬉しさも感じますけどね」
「次の満月からは、もう〝牢〟など必要ないことは、わたくしも嬉しいですよ。これまでの獣化の先代方と同じく、旦那様も、ようやく本来の満月休暇を楽しめることでしょう」
狼の姿になった夫と、妻が満月の日が明けるまで同じ部屋でゆったりと過ごす。それが本来の獣化の力を持った者の過ごし方だった。
「いつまでも見守っていたくなる〝いい夫婦〟ですねぇ」
衣装部屋の入口から覗き込んでいたシーマスが、くくっと喉を鳴らす。
「戦でも社交の場でもあんなに勇ましいお方が、なかなか踏み出せないでいるのは、もどかしいですがね」
ブロンズが告げると、主人本人が手伝いに入ってしまって出番がなくなったメイドたちが、同意してうんうんとうなずく。
「生涯たった一人だけの伴侶を迎える性質ゆえでしょう。あんなにせっせと狼の貢物をされているのに、たった一言の好意を伝えるのが難しいなんて、見ていて平和な光景で、俺らとしては嬉しさも感じますけどね」
「次の満月からは、もう〝牢〟など必要ないことは、わたくしも嬉しいですよ。これまでの獣化の先代方と同じく、旦那様も、ようやく本来の満月休暇を楽しめることでしょう」
狼の姿になった夫と、妻が満月の日が明けるまで同じ部屋でゆったりと過ごす。それが本来の獣化の力を持った者の過ごし方だった。