可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「このたびは次女の成婚お祝い申し上げる。何分、〝妻と子で手が埋まっているもので〟。それと社交界ですでに耳にされていると思うが、俺は他者と触れることを好んでいない。ご理解いただけると助かる」
そっと口元に笑みを浮かべたものの、ヴァンレックの表情はいつもアイリスが見ているものと違って、はっきりと拒絶する圧力があった。
「そ、そうでしたな」
焦った父が手を引っ込める。母が扇を口元で開いて、舌打ちの表情を隠すのが見えた。
握手も父の作戦だったのだろう。
みんなに見せつけたかったのだ。長女を嫁がせたので自分たちは特別な関係――そう思い込んでいた思惑が目の前で崩されるのを見て、アイリスは胸が少し軽くなる。
(そもそも本来だと、結婚式の主役を連れてくるべきだったのに)
いつでも注目を受けたがる両親らしい行動だと思えた。娘が結婚するというのに、自分たちをまず注目させたがる両親には残念な気持ちしか込み上げない。
ライノーアル伯爵は気付いていないようだ。
そっと口元に笑みを浮かべたものの、ヴァンレックの表情はいつもアイリスが見ているものと違って、はっきりと拒絶する圧力があった。
「そ、そうでしたな」
焦った父が手を引っ込める。母が扇を口元で開いて、舌打ちの表情を隠すのが見えた。
握手も父の作戦だったのだろう。
みんなに見せつけたかったのだ。長女を嫁がせたので自分たちは特別な関係――そう思い込んでいた思惑が目の前で崩されるのを見て、アイリスは胸が少し軽くなる。
(そもそも本来だと、結婚式の主役を連れてくるべきだったのに)
いつでも注目を受けたがる両親らしい行動だと思えた。娘が結婚するというのに、自分たちをまず注目させたがる両親には残念な気持ちしか込み上げない。
ライノーアル伯爵は気付いていないようだ。