可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 あっさりと白状されてしまったが、アイリスは困惑する。

 そんな暇がどこにあったのだろう。

 王都に来るまで楽しかった馬車旅を思い返していると、会場のカーテンが閉められて、薄暗くなる。

 美しい工芸ランプが次々に灯され、進行役が舞台に現れた。

 新郎新婦が登場し、会場は和やかさが回復したみたいな拍手に包まれる。

「両親は排除した。彼らはヴァルトクス大公の家名を勝手に使ったことも含め、君への余罪も調査が入るだろうが。これからがもっと大忙しになる」

 誰もが舞台に注目している中、ヴァンレックが言った。

 アイリスはハッとし、彼の横顔を見た。

「まさか、別の目的があってここへ来たんですか?」
「やるなら徹底的に、だ。アリムのお披露目にもいいしな」
「僕、特訓でまた成長したから任せて!」

 ――何を?

 アイリスはやる気に満ちたアリムも、獲物でも捉えるようにアンメアリーのほうを見据えているヴァンレックの冷やかな眼差しも気になった。

 この父子、揃って何を企んでいるのだろう。
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