可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「あのっ」

 その時、円卓に料理が運ばれてきた。

「あら? デザートも一緒に持ってきたの?」
「はい。お子様がおられる席につきましては、一緒に出させていただいています」

 男性の係員が、料理を慣れたように配膳していきながら告げた。

「わーっ、見てアイリス! 美味しそうなケーキだよ!」
「うん、そうね。とても美味しそうね」
「食べていい?」

 挙式でずっと大人しくできていたアリムは、偉い。

(これも楽しみにしていたのかも……?)

 ひとまずサラダや前菜よりも先にご褒美でデザートからいただくことにする。

 数種類のカットケーキは美味しかった。食べながらそれなく確認したが、新郎新婦席の近くに設けられた双方の両親席のうち、片方は空席だ。

 やはり両親は参加しなかったらしい。

(ヴァンレック様は『排除』とおっしゃっていたけど……来られないよう計算して先程のやりとりを? 相手の反応もかなり精密に予測しないといけないし、誘導して発言を引き出すのもかなり高度な……)
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