可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「大公妃様っ、あの子はまだ獣化できないのではありません?」
「大公様の獣姿と比べるせいで、もう小さくて小さくて心配で仕方がなくっ」
「どうにかして俺たちで回収できないでしょうか」
「大公妃様、私たちも協力しますから。あの子がかわいそうです」

 集まってきた人々の心配そうな眼差しに、アイリスはしばし呆然としてしまう。

(アリムが獣化したら、ますます心配してしまいそうな勢いだわ……)

 でも、嬉しさで胸がいっぱいになった。

(だからヴァンレック様も、まだアリムに変身していいと合図を出していないのかしら?)

 まずはあの姿を受けれてもらえるのか、アイリスは心配していた。

 今は、こんなにもたくさんの人たちが『普通の子供と同じなんだ』と感じ、受け入れて、アリムを心配してくれている。

 きっと二人には〝作戦〟があるのだろう。

 父子だけで進めたことに疎外感は覚えるが、アイリスはヴァンレックを信じている。

 だからアイリスも、どうにか待っていられていた。
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