可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 終わったことを考えるのはやめた。そんなことよりも、アイリスはこれから帰ってくるヴァンレックのほうに興味が向いている。

 彼が本来持っている素質や有能っぷりが気にならないくらい、彼本人が大切でたまらならしい、とアイ
リスは自分でもすっかり理解していた。

(離縁、しないんですって)

 誰に言うわけでもなく、窓の向こうの夕焼け空を見て思う。

 アイリスの口元は緩んでいた。


 その後、ヴァンレックがアリムと帰宅して、見守りの役目を指示されていたリッジソロミュー公爵が彼に挨拶をして帰っていった。

 忙しい一日だったようだ。

 アリムはお腹が空いたと言って、早い夕食を取りながらアイリスは話しを聞くことになった。

 まず〝神獣様〟は引き続きヴァンレックが育成するようになったそうだ。

 王家の獣化を持つ者の変身姿の大きさは、祖先である神獣と同じだという。成長の年数は神獣によって異なるが、つまりアリムもあのサイズの狼になるのが目標になるらしい。

 そうなれば、誰も手だしができない。
< 371 / 381 >

この作品をシェア

pagetop