可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「ヴァルトクス大公妃殿下だ!」
「大公様ー!」
「お幸せに!」
「神獣様もいらっしゃるわ!」

 顔を見せるなり一瞬にして人々の祝福で空気が揺れる。

「ははぁ、国王である私よりも人気だ」

 国王は冗談まじりで言ったが、嬉しそうだった。

「アイリス、弟を皆に受け入れさせてくれたことも、感謝する」

 彼はそっと呟いた。

 アイリスも、それを実感して胸がいっぱいになった。感動の涙をこらえて「はい」と答えた。

 ヴァンレックも驚いているようだった。

「……なぜ俺も祝われているんだ?」
「我が弟よ、そこは素直に受け止めろ……お前は昔から真面目すぎるというか、お堅いというか、鈍いというか……」
「陛下、進行をなさってくださいませ」

 王妃が、国民に手を振りながらこそっと言った。

 国王がうなずき、前に出る。

「祝いに集まってくれた皆に礼を告げる! 今日、愛し合った二人の希望により、遅れていた結婚式をここで迎えることになった。その目撃者となって我々は幸運だろう」

 国王が告げると、民衆は沸く。
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