可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「神獣は人に御心を近付こうと、生まれた瞬間に人間の幼子の姿となる。本来の姿に戻るまでヴァルトクス大公に託していたが、神獣はヴァルトクス大公に嫁入りしたアイリス・ヴァルトクス大公妃も気に入った。二人によって神獣はどんどんご成体へと近付かれるはずだ。二人は心を通じ、神獣はそんな二人を愛した――これほどめでたい婚姻はないだろう」

 その通りだと人々が言い、祝福の言葉がいたるところから飛び始めた。

 なんて壮大で素晴らしい光景なのだろうとアイリスは思った。

 こんなにもヴァンレックの妻として、みんなに望まれていることも嬉しかった。

「アイリス、感動してるの?」

 アリムがぴょんっと飛び込んできて、アイリスは彼を抱っこした。アリムが目尻を小さな指でそっと拭う。

「ええ、嬉しくて胸がいっぱいになっちゃったの」
「アリムに先を越されたな」
「嫉妬しないでよ〝パパ〟」
「お前、わざとだよな?」

 どうにか国民たちに笑顔をたっているヴァンレックが、アリムと見つめ合う。
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