可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「分かりました」
家に帰せないというのはアイリスにとって朗報だ。
離縁したら自分の幸せを探しに遠くへ行くつもりだった。それまでここで、情報収集や準備する時間ができるのも有難い。
「つまり期間限定ですよね? 夫婦の義務も無しと取っても?」
「もちろんだ。俺が、君を妻として愛することはない」
ぴしゃりと言ってのけた彼が、ハッと口元に手をやる。
「あっ、いや、俺にはアリムがいるから結婚は考えていないという意思表示であって……これはつまり契約結婚で……夫婦のふりはするが一緒のベッドは、必要ないと言いたかっただけで……」
アイリスは反応に困ってしまった。
(彼……本当に『恐ろしい大公様』で合ってる?)
気のせいか、ただの誠実な騎士様に感じる。
そう、嘘が下手で、正直者の。
「理解しておりますので、大丈夫です。私は旦那様にとって必要なくなった際には速やかに離縁に応じますし、それまでは精一杯アリムの世話をします。心配でしたら契約書を作りましょう」
「あ、ああ、分かった。書面だな」
彼は想定していなかったのか、慌てて書斎机につくと準備する。
家に帰せないというのはアイリスにとって朗報だ。
離縁したら自分の幸せを探しに遠くへ行くつもりだった。それまでここで、情報収集や準備する時間ができるのも有難い。
「つまり期間限定ですよね? 夫婦の義務も無しと取っても?」
「もちろんだ。俺が、君を妻として愛することはない」
ぴしゃりと言ってのけた彼が、ハッと口元に手をやる。
「あっ、いや、俺にはアリムがいるから結婚は考えていないという意思表示であって……これはつまり契約結婚で……夫婦のふりはするが一緒のベッドは、必要ないと言いたかっただけで……」
アイリスは反応に困ってしまった。
(彼……本当に『恐ろしい大公様』で合ってる?)
気のせいか、ただの誠実な騎士様に感じる。
そう、嘘が下手で、正直者の。
「理解しておりますので、大丈夫です。私は旦那様にとって必要なくなった際には速やかに離縁に応じますし、それまでは精一杯アリムの世話をします。心配でしたら契約書を作りましょう」
「あ、ああ、分かった。書面だな」
彼は想定していなかったのか、慌てて書斎机につくと準備する。