可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「子育てを引き受けてくれたからにはいい条件を出す。君には夫人としての管理、すべき内政業務はしなくていい。もちろん社交も必要ない」
「社交はよろしいので?」
「陛下以外、俺に指図できる者はいない」
ヴァンレックは執務にも長けているようだった。紙に書かれる彼の字は綺麗で、アイリスは興味津々と眺める。
「あっ、業務に関しては完全に免除としないほうがよいと思います」
「なぜだ?」
「余った時間は有効活用すべきです。自分でやるにしては日頃困っている雑務を、いちおう肩書きが妻の私に任せるのも手かと。知られたくない数字や関わってほしくないところからは外してよいですから。そのほうが旦那様もアリムとの時間を作りやすくなるかと」
ヴァンレックが呆けたように見てきた。
「旦那様、手が止まっています」
「……君の呼び方は『旦那様』でいいのか?」
突然なんだ、と思ってアイリスはつい顔を顰めてしまった。
「居候であり〝妻〟ですから。誰が聞いても変ではないかと」
「社交はよろしいので?」
「陛下以外、俺に指図できる者はいない」
ヴァンレックは執務にも長けているようだった。紙に書かれる彼の字は綺麗で、アイリスは興味津々と眺める。
「あっ、業務に関しては完全に免除としないほうがよいと思います」
「なぜだ?」
「余った時間は有効活用すべきです。自分でやるにしては日頃困っている雑務を、いちおう肩書きが妻の私に任せるのも手かと。知られたくない数字や関わってほしくないところからは外してよいですから。そのほうが旦那様もアリムとの時間を作りやすくなるかと」
ヴァンレックが呆けたように見てきた。
「旦那様、手が止まっています」
「……君の呼び方は『旦那様』でいいのか?」
突然なんだ、と思ってアイリスはつい顔を顰めてしまった。
「居候であり〝妻〟ですから。誰が聞いても変ではないかと」