可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
(みんないい人たちばかりなのよね。ドレスのことを口にしたら、どうにかしようと言ってくるかもしれないし……でも余計な手間はかけさせられないわ)

 親切にしてもらっているだけで有難い。

 自分が着るものを改善する時間がいつ開けられるのかは不明だが、今は子育てのスケジュールに慣れていく必要がある。

 ただ食いをするつもりはないので、もちろん仕事を最優先にするつもりだ。

「――説明は以上になります。それから奥様、執事に敬語を使ってはなりません」
「はっ」

 アイリスは自分の口をパッと押さえた。

 いろいろと考えていたし、緊張もあってついやらかしてしまったようだ。

「ご、ごめんなさい、気を付けるわ」

 謝ったら、ブロンズがなぜだか珍しく口元を緩めた。

「場の重要性もご理解されているようですので、これからご一緒に仕事ができることが楽しみです」

 ブロンズには作業要員として受け入れてもらえているのだろうか。

 彼の説明から、これまで討伐で外に行くヴァンレックの内政補佐のために請け負っている業務がかなりあることを知った。

 その一部を、アイリスが分散してくれるのは助かるのだろう。
< 52 / 381 >

この作品をシェア

pagetop