可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「そうかしこまらなくていい。子供と楽しく過ごせていたようで何よりだ。ところでこれは……」
「ピクニックがてら、魚の観賞です」
「ピクニック」

 なぜかヴァンレックが言葉を繰り返す。

「ずいぶんと……にぎやかな様子だな……」

 彼は、周囲にいる人数でも数えていくみたいに視線を向けていく。

「ブロンズがとても詳しいの! 教えてもらってた!」
「ブロンズに?」
「まだ聞いていないことあるから、もうちょっと待っててっ」
「あ、ああ。したいようにしなさい」

 ヴァンレックがアリムを降ろす。アリムはおかえりの挨拶でいったん満足したのか、元の位置に戻ると、すぐブロンズに続きをねだった。

 みんなが気にしたように見てくる。

 ヴァンレックが許可するように手の仕草で伝え、続いてアイリスを手招きする。

 主人の望みを察したのか、メイドもコックも騎士たちもアリムを囲んで二人から遮った。

「いかがされましたか? 何か、問題でも……?」

 歩み寄ったアイリスは、地べたに座らせてはだめだっただろうかと少し心配になった。
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