可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 頭の上に疑問符がいっぱい浮かぶ。

 その時、説明をすでに聞き終えていたようで、アリムが不満そうにアイリスのスカートに抱きついてきた。

「パパばっかりアイリスを独占して、ずるいっ」

 ヴァンレックが小さくため息を吐く。

「アリム、そう誰かにべたべたと甘える性格ではなかっただろう。さ、俺のところにおいで」
「パパは騎士たちと業務処理があるでしょ?」

 アリムが向こうを指差す。

 そこには騎馬でゆっくりと通過していく騎士たちの姿がある。彼らはヴァンレックの同行を気にして様子をうかがっているようだ。

「それに僕はもう少しアイリスといたいのっ。おやつだってまだ食べ終えてないもん」

 そんなに好いてくれているのか。

 アイリスは、スカートをぎゅっと握って顔を押し付けたアリムに、きゅんきゅんした。

「はぁ……アリムがすまない。普段はこう我儘ではないんだが」
「可愛いから全然問題ありませんよ」

 アイリスはしゃがみ、アリムを優しく抱き締める。
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