可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 豊かで目立つ赤髪、少し吊り上がった大きなオレンジ色の目も印象強い。

 華奢だが、顔に加えて赤いドレスの印象が強すぎて豪胆な性格にも感じる。

 とはいえ結局のところそのすべの原因は、十八歳のアイリス・エティックローズが美しすぎるところにあるだろう。

 その端正な目鼻立ちは、黙っているとかなり苛烈な印象がある。

(今日からアイリスとして生きていかなくちゃね)

 鏡越しに、あなたを幸せにすると約束するわと微笑かける。

 二十代後半、人のいい両親が借金の連帯保証人にサインをした件でようやくすべての片が付いた。

 頭脳派の妹、そして喧嘩にも強い肉体を持った姉――でも、病には勝てなかった。

 そしてあっという間に最期を迎えたのだ。

(人生の底辺を見てきたし、殴り合いもしたし、病人も経験したから分かる。彼女の身体は、とても健康だわ)

 食事を抜かれたり、この部屋で少ない量を食べることがほとんどだったのに、細さは目立つものの、彼女の身体は神様からの贈り物のように健康的だ。
< 8 / 381 >

この作品をシェア

pagetop