可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
(あれ?)
語り切って満足したところで、ヴァンレックが手を組んで俯いていることに気付く。
「旦那様……?」
沈黙に緊張して数秒、急にヴァンレックが素早く顔を上げた。
「それなら、これからは俺とも食事しよう」
「え」
思わず引きつった『え』がアイリスの口からもれた。
ヴァンレックはギリッと置く場を噛み合わせたような顔面をしていた。彼が望んでいるとは思えない。
「……あの、旦那様、それは時間があえばアリムだけでなく私も食事の席に出る、ということでしょうか?」
「そうだ」
肯定する顔ではない。
眼光がギンッと増して、アイリスは固まってしまった。その間にヴァンレックが言い募ってくる。
「夫婦なのだから、食事を別にするほうがおかしいだろう」
「そ、そう、ですね……?」
「そうだ。だから、今日から俺とも食事を共にすべきだ」
彼は断言した。
それこそ矛盾しているのでは、と思ったものの、アイリスは圧を感じて何も言えなかった。
(私たちは契約関係だから夫婦の義務云々もないはずじゃ……?)
もしや――また、息子に対する嫉妬だろうか。
愛する女性の子供と自分だけ連日昼食を共にできていない。そんな中、アイリスがアリムとの食事を楽しみすぎたのか。
(アリムと食事している時の私の様子を、観察するつもりかしら)
狼の執着心、という彼の言葉が頭に浮かんだ。
血を分けた息子も対象内ではありえそうだ。ヴァンレックに嫉妬心を抱かれるような行動には気を付けよう。アイリスは今晩を思い、緊張した。
◇∞◇∞◇
語り切って満足したところで、ヴァンレックが手を組んで俯いていることに気付く。
「旦那様……?」
沈黙に緊張して数秒、急にヴァンレックが素早く顔を上げた。
「それなら、これからは俺とも食事しよう」
「え」
思わず引きつった『え』がアイリスの口からもれた。
ヴァンレックはギリッと置く場を噛み合わせたような顔面をしていた。彼が望んでいるとは思えない。
「……あの、旦那様、それは時間があえばアリムだけでなく私も食事の席に出る、ということでしょうか?」
「そうだ」
肯定する顔ではない。
眼光がギンッと増して、アイリスは固まってしまった。その間にヴァンレックが言い募ってくる。
「夫婦なのだから、食事を別にするほうがおかしいだろう」
「そ、そう、ですね……?」
「そうだ。だから、今日から俺とも食事を共にすべきだ」
彼は断言した。
それこそ矛盾しているのでは、と思ったものの、アイリスは圧を感じて何も言えなかった。
(私たちは契約関係だから夫婦の義務云々もないはずじゃ……?)
もしや――また、息子に対する嫉妬だろうか。
愛する女性の子供と自分だけ連日昼食を共にできていない。そんな中、アイリスがアリムとの食事を楽しみすぎたのか。
(アリムと食事している時の私の様子を、観察するつもりかしら)
狼の執着心、という彼の言葉が頭に浮かんだ。
血を分けた息子も対象内ではありえそうだ。ヴァンレックに嫉妬心を抱かれるような行動には気を付けよう。アイリスは今晩を思い、緊張した。
◇∞◇∞◇