恋は手のひらの上で
少しして、椎名さんがマグカップを二つ持って戻ってきた。
「熱いですよ」
「ありがとうございます」
私はソファを見て、少し迷う。
一人用のソファ。
「…椎名さんは?」
そう聞くと、椎名さんは少しだけ笑った。
「ソファは狭いので」
ローテーブルの横、ラグの上に彼が座る。
私の迷いをすぐに汲み取り、トントンと隣のスペースを指す。
「こっちどうぞ」
「…じゃあ」
素直に、彼の隣に腰を下ろした。
ラグの感触が少し柔らかい。
コーヒーの湯気が静かに揺れる。
ふたり並んで座ると、思ったよりも距離が近い。
私はマグカップを持ったまま、少しだけ息をついた。
「…ほんっとーに、久しぶりですね」
あまりにも実感を込めすぎたからか、椎名さんがこちらを見る。
「全然会えなかったですね」
「当たり前ですけど、私と椎名さんとでは忙しさの質が違うと思うんですよね」
「質?」
椎名さんは眉を少し上げて、不思議そうにしている。
「私は目の前のジェルのことでいっぱいいっぱい。でも
たぶん、椎名さんは他にもいくつもかけもちしてますよね?」
私の問いかけに、彼がちょっと考える。
「かけもちっていうか、担当してるものはいくつかありますけど。でも忙しさには波があるので」
「熱いですよ」
「ありがとうございます」
私はソファを見て、少し迷う。
一人用のソファ。
「…椎名さんは?」
そう聞くと、椎名さんは少しだけ笑った。
「ソファは狭いので」
ローテーブルの横、ラグの上に彼が座る。
私の迷いをすぐに汲み取り、トントンと隣のスペースを指す。
「こっちどうぞ」
「…じゃあ」
素直に、彼の隣に腰を下ろした。
ラグの感触が少し柔らかい。
コーヒーの湯気が静かに揺れる。
ふたり並んで座ると、思ったよりも距離が近い。
私はマグカップを持ったまま、少しだけ息をついた。
「…ほんっとーに、久しぶりですね」
あまりにも実感を込めすぎたからか、椎名さんがこちらを見る。
「全然会えなかったですね」
「当たり前ですけど、私と椎名さんとでは忙しさの質が違うと思うんですよね」
「質?」
椎名さんは眉を少し上げて、不思議そうにしている。
「私は目の前のジェルのことでいっぱいいっぱい。でも
たぶん、椎名さんは他にもいくつもかけもちしてますよね?」
私の問いかけに、彼がちょっと考える。
「かけもちっていうか、担当してるものはいくつかありますけど。でも忙しさには波があるので」