恋は手のひらの上で
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午後のリモート会議が終わり、私はノートパソコンを閉じた。
肩の力がふっと抜けると、会議室のドアが軽くノックされた音がした。


「西野、ちょっといい?」

声の主は高橋だった。いつものラフな格好で、少し疲れた笑顔を浮かべながら立っている。

「お疲れ。会議、終わる頃かと思って」

軽く肩をポン、と叩かれる。
こうして触られるのも、いつものことだ。

「うん、今さっき終わったとこ」

私が立ち上がってパソコンに繋いでいたコードを抜くと、高橋はすぐに近づき、延長コードの片付けをしてくれる。
ありがとう、と声をかけると彼は笑った。


自然な流れで隣に並ぶ距離感。
腕が軽く触れ、ほんの少し私に寄りかかるのが分かった。

「次の会議、俺も参加するから」

唐突に言われて、目が合う。

「え、そうなの?」

「課長に言われてさ。技術面のフォロー、しっかりやれって。西野が数字まとめるの手間かけないように、俺も同席するって話」

説明を聞きながら、私は胸の奥がざわつくのを感じる。嫌じゃない。でも、嬉しいわけでもない。複雑だ。

「…分かった」

軽くうなずくと、高橋は自然な動きで手を私の背中に回す。軽く押すように、でもほんのり強く。
思わず肩が反応する。

これは、なんの反応なんだろう。
自分でもよく分からなかった。


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