Nocturne(ノクターン)ー美しさは静かに交差する
女性誌インタビュー掲載号

特集タイトルは
「仕事も愛も、選び取るということ」

ページをめくると、
自然体の希の写真。

強さよりも、柔らかさが写っている。

記者の質問。

「お二人の関係は、とても静かで確かな印象があります。始まりはどんなものだったのですか?」

希は少しだけ考えてから、ゆっくり話し始める。

誌面に載った言葉。



「たまに、2人が出会った日の事思い出して話すんです。」

「まだ私たちが何者かも知らなくて、連絡先も知らなくて、挨拶を交わしただけの日。」

「何故か、その夜2人とも思い出して眠れなかったこと。」

少し間があって、続く

「しばらくして、偶然再会したこと。」

「それからはゆっくり、本当ににゆっくり育んだこと。」

写真の横に、その言葉が静かに並ぶ。

記者が尋ねる。

「お互いの立場を知ったのは後の事だったとか。」

希は笑う。



「そうなんです。彼は家が青山不動産だとゆうことを私に知られたくなかったみたいでしばらく隠していましたし、私もファッション関連の会社の経営してるとは言ってましたが、Minoの事を彼が知らなかったので…」


「だからこそ、今も思うんです。」

「もし彼が青山不動産の人じゃなかったとしても、」

「もし私がMinoの代表じゃなかったとしても、」

「同じように好きになっていました。」



「今、彼と過ごせていることは、本当に奇跡のようなことです。」



飾らない。

強がらない。

でも、

今をはっきり選んでいる。



◆ 青山本社・旬のデスク

旬は一人でページを開く。

その一文で、指が止まる。

「奇跡のようなことです」

静かに息を吐く。

“もっと早くね”と答えた自分と、

“奇跡”と言う彼女。

バランスがいい。

スマホを取り、

希にメッセージ。

《奇跡じゃない。必然だよ。》

すぐ既読。

《そう思える今が奇跡なんだよ》

旬、小さく笑う。
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