あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~
 すっきりとした切れ長の瞳と高い鼻梁を持つ黒髪のイケメン。
 大学のゼミでいつも輪の真ん中にいた憧れの先輩、そして私の初恋の人である須南瀬良がそこにいた。なんという偶然だろう。

「やっぱり安斉凛音だ。……とりあえず、立てる?」

 先ほど康史と別れて見すてられたばかりの私を、彼はゆっくりと優しく身体を引き上げてくれた。
 不思議だ。彼の手から伝わる温度は驚くほど温かくて、それだけで気持ちが落ち着くのを感じる。

「今の、ひったくりだよな?」
「……はい。バッグを持っていかれました」
「通報しよう」

 彼がスマホを取り出し、気が動転している私に代わって110番通報してくれた。
 捨てる神あれば拾う神あり、とはこのことだ。
 つらいときに助けてくれる人がいると思うだけで、再び涙がこぼれそうになる。

「左手、ケガをしたんだろう? 見せて」

 じんと痺れた左手をそっと差し出す。すると彼は心配そうな顔で、小刻みに震える私の手の傷に優しくハンカチを当てた。

「……っ!」
「手首?」
「はい。手をついたときにひねったんです。たぶん捻挫かな」
「あとで病院へ行こう」
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