あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~
 リシェスシリーズは、高級文具とデザイン雑貨を扱う『株式会社ルヴォワール』という日本の企業が販売している。
 瀬良さんの就職先に関してはくわしく知らなかったけれど、大学卒業時には、父親の会社を手伝う……というようなウワサを聞いていた。
 もしかして彼は転職をして、現在ルヴォワールで働いているのかもしれない。
 そんなことを考えながらきょとんとしていると、瀬良さんはジャケットのポケットに忍ばせていた名刺入れを取り出し、中の一枚を私に差し向けた。

「え?!」
「ごめん。言ってなかったよな」

 スタイリッシュなデザインの名刺には、『株式会社ルヴォワール 常務取締役 須南瀬良』と書かれてあった。
 当然、私は一瞬で目を丸くした。彼の肩書が大企業であるルヴォワールの〝常務〟になっているからだ。

「じょ、常務なんですか?」
「うちの父親が作った会社でね、俺は長男だから、現在そういうポジションに就いてる」
 
 ある意味、大学内でウワサされていた〝父親の会社を手伝う〟というのは合っていたらしい。
 だけど、彼がルヴォワールの創業者の子息だったことは、誰も知らなかったと思う。

「しかし驚いたな。凛音がうちの商品を気に入って使ってたなんて」
「驚いたのは私のほうですよ」

 ぽろりと吐露した言葉を聞いて、彼がアハハと声に出して笑った。
 パッと花が咲いたような笑顔がまぶしくて、本当にこういうところは昔と変わらない。
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