あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~
「薄っぺらな関係の夫婦じゃ、なにかあったときに支え合うことはできなさそうですよね」
「その元カレ、あとで後悔するんじゃないか。凛音にしとけばよかった、って。もう遅いけどな」

 ふるふると小さく首を横に振り、苦笑いを浮かべた。
 別れた日の康史の顔を思い出すと、『俺はうまくやる』と言わんばかりの表情だった。
 自信があるようだったから、きっと思いどおりに出世して順風満帆な人生を送るのだろう。そんな未来しか想像がつかない。
 
「俺は愛のない結婚なんて絶対にごめんだ。心から好きになった人としたい」

 ふと視線を上げると、再び彼の真っすぐな瞳に囚われた。
 見つめられたら自動的に胸が高鳴ってくるから困るのに、どうしても目が離せない。

「瀬良さんは昔から言うこともカッコいいですよね。初恋の人が変わらずにいてくれるのって、うれしいです」
「……初恋の人? 俺が?」
「え! 私、今そう言いました?」

 まったくの無意識だった。これでは『大学生のころ、あなたに恋をしていました』と白状したのも同然だ。
 しかも〝初恋〟って……。正直に言ってしまったが、気持ち悪がられていないか心配になってくる。
 いたたまれなくてソワソワとしていると、彼が驚いたと言わんばかりにポカンとしたまま固まっていた。
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