最低で大嫌いなあなた、結婚してください
彼は赤ワインと一緒にチーズを食べていて、確かそれをマリアージュと言うのだと思い出した。
チーズを食べ終えると、ギャルソンがケーキを持ってきた。
「こちら、記念日用のケーキでございます」
「えっ!?」
小さめのホールケーキは美しいエディブルフラワーで飾られ、プレートにチョコレートソースで『Thank you Marika』と書いてあった。
「しゅ、修吾さん……」
「ささやかな気持ちです。このあとコースのデザートが出るので、お腹一杯なら持ち帰って召し上がってください」
「い、いいんですか? だって修吾さんも食べたくありません?」
見るも綺麗なケーキで、せっかく用意されたなら二人で……と思う。
「これは鞠花さんへのお礼ですから。もしご迷惑でなければ、持ち帰って少しずつ食べてください。きっと美味しいですよ」
「じゃ、じゃあ……そうさせていただきます」
ケーキは帰り際に渡してもらう事にし、鞠花はお姫様扱いを受けてすっかりポーッとしていた。
そのあとデザートの前に出されるプレ・デセールが出された。
小さなガラスの容器には、ソースの掛かったブラマンジェが入っていた。
メインデザートはレストランのスペシャリテ――自慢の一品として出されている、丸ごと一つの桃のコンポートにソースを掛け、ピスタチオアイスクリームを添えた物だ。
「……っ、おい、しい……っ!」
今まで出された食事も美味しいのだが、スペシャリテというだけあって格別に美味しい。
もうお腹一杯で入らないと思っていても、ついついスプーンが進んでしまう。
「今日一番の笑顔、いただきました」
修吾に冗談めかして言われ、鞠花は「もう」と照れ笑いを浮かべる。
最後にコーヒー、小菓子が出されて満腹になった鞠花は溜め息をついた。
「……はぁ、美味しかったぁ……」
鞠花は香りが良く深みのあるコーヒーにミルクを入れ、味わいながら飲む。
「どういたしまして。命を救ってくれた事に比べたら、大したお礼ではないんですが」
「いいえ、もう十分お気持ちは受け取りました」
滅多に食べられない高級料理をしっかり味わう傍ら、修吾と会話をしたが、彼が何の会社の社長であるかなど、立ち入った事は聞かなかった。
自分たちはこれぐらいの距離感が丁度いいと思っている。
チーズを食べ終えると、ギャルソンがケーキを持ってきた。
「こちら、記念日用のケーキでございます」
「えっ!?」
小さめのホールケーキは美しいエディブルフラワーで飾られ、プレートにチョコレートソースで『Thank you Marika』と書いてあった。
「しゅ、修吾さん……」
「ささやかな気持ちです。このあとコースのデザートが出るので、お腹一杯なら持ち帰って召し上がってください」
「い、いいんですか? だって修吾さんも食べたくありません?」
見るも綺麗なケーキで、せっかく用意されたなら二人で……と思う。
「これは鞠花さんへのお礼ですから。もしご迷惑でなければ、持ち帰って少しずつ食べてください。きっと美味しいですよ」
「じゃ、じゃあ……そうさせていただきます」
ケーキは帰り際に渡してもらう事にし、鞠花はお姫様扱いを受けてすっかりポーッとしていた。
そのあとデザートの前に出されるプレ・デセールが出された。
小さなガラスの容器には、ソースの掛かったブラマンジェが入っていた。
メインデザートはレストランのスペシャリテ――自慢の一品として出されている、丸ごと一つの桃のコンポートにソースを掛け、ピスタチオアイスクリームを添えた物だ。
「……っ、おい、しい……っ!」
今まで出された食事も美味しいのだが、スペシャリテというだけあって格別に美味しい。
もうお腹一杯で入らないと思っていても、ついついスプーンが進んでしまう。
「今日一番の笑顔、いただきました」
修吾に冗談めかして言われ、鞠花は「もう」と照れ笑いを浮かべる。
最後にコーヒー、小菓子が出されて満腹になった鞠花は溜め息をついた。
「……はぁ、美味しかったぁ……」
鞠花は香りが良く深みのあるコーヒーにミルクを入れ、味わいながら飲む。
「どういたしまして。命を救ってくれた事に比べたら、大したお礼ではないんですが」
「いいえ、もう十分お気持ちは受け取りました」
滅多に食べられない高級料理をしっかり味わう傍ら、修吾と会話をしたが、彼が何の会社の社長であるかなど、立ち入った事は聞かなかった。
自分たちはこれぐらいの距離感が丁度いいと思っている。