最低で大嫌いなあなた、結婚してください
「人間ですもの、物欲はあります。でも、今回のお食事は〝お礼〟として受け取りますが、それ以外の物は分不相応だと思っています。修吾さんのお気持ちはありがたいですし、あなたがいつもそのように贈り物をしてきた事も理解します。でも私は沢山いただきても、返せる宛てがありません」
「返すなんて……」
修吾が困ったように言うと、鞠花は首を横に振って続ける。
「あなたがお返しを求めていなくても、人は自分がお返しできる範囲外の贈り物をされると困ってしまうんです。普通の人は相手と対等でありたいと望むものですから、一方的に貢がれて当たり前とは思いません。高くても一万円ぐらいの物なら許容範囲内ですが、修吾さんの場合、そうじゃないでしょう? ……だからいただいても素直に喜べないんです。なら、最初から受け取らないほうがお互いのためと思います」
修吾はしばらく、呆けたように鞠花を見つめたあと、溜め息をついてブラックコーヒーを一口飲んだ。
それから毒気を抜かれた表情で笑い、言った。
「とても失礼な事を言いますが、気分を害さないでください」
「はい、構いません」
頷くと、彼は苦笑いしてそれまでの経験を語った。
「こう言うと嫌みっぽいですが、俺は社会的地位があり、見た目にもある程度の自信を持っています。独身ですし謙遜せずに言えばモテます。言葉を選ばずに言えば、何もしなくても女性が群がってきます。気が向いてデートをすれば喜びますし、プレゼントをすれば『あれも欲しい。買ってくれる?』と甘えてきます」
修吾の話す事は、鞠花の想像の範囲内だった。
滅多に見られない美形の経営者なら、女性はほぼみんな、玉の輿に乗りたいと思ってチャンスを窺うだろう。
「彼女たちは俺と結婚する事を望んでいます。結婚までいかずとも、デートして好きな物を買ってもらえたら満足します。俺はそれが分かっていたから……、あまり人に言えない不誠実な付き合いをしてきました」
鞠花は無言で頷く。
「返すなんて……」
修吾が困ったように言うと、鞠花は首を横に振って続ける。
「あなたがお返しを求めていなくても、人は自分がお返しできる範囲外の贈り物をされると困ってしまうんです。普通の人は相手と対等でありたいと望むものですから、一方的に貢がれて当たり前とは思いません。高くても一万円ぐらいの物なら許容範囲内ですが、修吾さんの場合、そうじゃないでしょう? ……だからいただいても素直に喜べないんです。なら、最初から受け取らないほうがお互いのためと思います」
修吾はしばらく、呆けたように鞠花を見つめたあと、溜め息をついてブラックコーヒーを一口飲んだ。
それから毒気を抜かれた表情で笑い、言った。
「とても失礼な事を言いますが、気分を害さないでください」
「はい、構いません」
頷くと、彼は苦笑いしてそれまでの経験を語った。
「こう言うと嫌みっぽいですが、俺は社会的地位があり、見た目にもある程度の自信を持っています。独身ですし謙遜せずに言えばモテます。言葉を選ばずに言えば、何もしなくても女性が群がってきます。気が向いてデートをすれば喜びますし、プレゼントをすれば『あれも欲しい。買ってくれる?』と甘えてきます」
修吾の話す事は、鞠花の想像の範囲内だった。
滅多に見られない美形の経営者なら、女性はほぼみんな、玉の輿に乗りたいと思ってチャンスを窺うだろう。
「彼女たちは俺と結婚する事を望んでいます。結婚までいかずとも、デートして好きな物を買ってもらえたら満足します。俺はそれが分かっていたから……、あまり人に言えない不誠実な付き合いをしてきました」
鞠花は無言で頷く。