最低で大嫌いなあなた、結婚してください
「中には『私はあなたを心から想ってる。お金なんて関係ない』って言ってくる人もいた。でも『会社を捨てて静かな土地で心機一転頑張ろうか』って言ったら、気まずそうに去っていった。……実際、脱サラして農業して充実した生活をする人もいるから、そういう生き方を例に出すのは良くないと分かってる。……でも、彼女たちは都会にいて、キラキラしたものに囲まれていたいんだって分かるには、十分な言葉だったと思う」
鞠花は黙って頷くしかできない。
「結局、俺は金を持っていて見た目がいいだけのクズなんだ。誰も俺の性格や、心意気に惚れたりしない。……だから『どうせ誰も俺を愛さない』ってさらにクズ行動に拍車がかかっていった」
その話を聞きながら、鞠花はこうも感じていた。
(きっと修吾さんがこうやって自分の弱さや、格好悪いところを見せるのは、珍しい事なんだろう。なら、ちゃんと向き合わないと)
心の中で頷いた鞠花は、ニコッと笑って言った。
「私とお付き合いするなら〝クズ〟から脱却できる……、と思っていいですか?」
修吾の事をクズとは言いたくないが、今はあえて彼が自身をそう呼んでいる事を利用した。
彼は「勿論だ!」と即答するかと思ったが、思いの外現実的な返事をする。
「すぐまともな男になれるかは分からない。でも遊び相手とは手を切ったし、最大限の努力をする。もし鞠花が『嫌だ』と感じる事があったら言ってほしい。改善のための努力をする」
できない約束を安易にするより、そう言ったほうがより修吾の決意をリアルに感じられた。
確かに、ずっと続いてきた習慣や考え方を急に変えるのは難しい。
鞠花自身、患者を相手に生活習慣、食習慣を変えるよう根気強く指導しているから、その難しさはよく分かっている。
人はいつもの習慣に基づいて生活するのが一番楽で、そうではない異質な行動、考え方を取り入れようとすると、酷いストレスを感じるものだ。
けれど自分の健康のため、より良く生きるためなら、努力できる人がいるのも確かだ。
だから鞠花は、修吾が努力すると言うなら応援しようと思った。
〝クズ〟の片鱗を見せられたとしても、すぐに幻滅せず、自分は嫌だと感じた事を素直に伝えていく。
鞠花としても、彼と付き合っていく上で努力しなければならない。
その時、婚活をしていた先輩が言っていた言葉を思い出した。
『最初から満点の男を探そうと思っても無理なの。最低限がOKなら、あとは自分が育てていくぐらいで丁度いいの。理想の男って自分で作るもんよ』
(そうですね)
鞠花は微笑み、頷いた。
鞠花は黙って頷くしかできない。
「結局、俺は金を持っていて見た目がいいだけのクズなんだ。誰も俺の性格や、心意気に惚れたりしない。……だから『どうせ誰も俺を愛さない』ってさらにクズ行動に拍車がかかっていった」
その話を聞きながら、鞠花はこうも感じていた。
(きっと修吾さんがこうやって自分の弱さや、格好悪いところを見せるのは、珍しい事なんだろう。なら、ちゃんと向き合わないと)
心の中で頷いた鞠花は、ニコッと笑って言った。
「私とお付き合いするなら〝クズ〟から脱却できる……、と思っていいですか?」
修吾の事をクズとは言いたくないが、今はあえて彼が自身をそう呼んでいる事を利用した。
彼は「勿論だ!」と即答するかと思ったが、思いの外現実的な返事をする。
「すぐまともな男になれるかは分からない。でも遊び相手とは手を切ったし、最大限の努力をする。もし鞠花が『嫌だ』と感じる事があったら言ってほしい。改善のための努力をする」
できない約束を安易にするより、そう言ったほうがより修吾の決意をリアルに感じられた。
確かに、ずっと続いてきた習慣や考え方を急に変えるのは難しい。
鞠花自身、患者を相手に生活習慣、食習慣を変えるよう根気強く指導しているから、その難しさはよく分かっている。
人はいつもの習慣に基づいて生活するのが一番楽で、そうではない異質な行動、考え方を取り入れようとすると、酷いストレスを感じるものだ。
けれど自分の健康のため、より良く生きるためなら、努力できる人がいるのも確かだ。
だから鞠花は、修吾が努力すると言うなら応援しようと思った。
〝クズ〟の片鱗を見せられたとしても、すぐに幻滅せず、自分は嫌だと感じた事を素直に伝えていく。
鞠花としても、彼と付き合っていく上で努力しなければならない。
その時、婚活をしていた先輩が言っていた言葉を思い出した。
『最初から満点の男を探そうと思っても無理なの。最低限がOKなら、あとは自分が育てていくぐらいで丁度いいの。理想の男って自分で作るもんよ』
(そうですね)
鞠花は微笑み、頷いた。