最低で大嫌いなあなた、結婚してください
「私、看護師なんです。今は日勤前にジョギングをしていました。救急車、呼びますか? 警察にも言ったほうがいいですね」
「いや、そんな大した怪我じゃないので」
本当は普段痛みと縁遠い生活を送っているので、落ち込むほど痛い。
そんな祥吾を見て、女性は少し考えたあとに提案してきた。
「近くに私の家があるんですが、来ますか? 応急処置ならできます。幸い大して深い傷でもなさそうですし」
「ですが、迷惑を掛けます」
祥吾は女性の申し出をありがたいと思いつつ、一旦引いてみる。
「いつ犯人が思い直して戻ってくるか分かりません。その前にタクシーに乗ってこの場を離れ、傷の手当てをして警察に通報する方がいいです」
彼女がやけに冷静なのは、看護師だからなのだろう。
「……じゃあ、お言葉に甘えます」
「素直が一番です」
微笑んだ女性の表情を見て、祥吾は「笑ったら可愛いな」と思っていた。
**
タクシーを拾って向かったのは、麻布十番駅近くの賃貸マンションだ。
すぐ近くには病院があり、そこに勤務しているのだろうか。
「狭くてごめんなさい」
1Kの部屋に上がるとベッド、テレビ、ローテーブルなどがあり、こぢんまりとしていながらも綺麗に整頓されていた。
「そこに座っていてください」
「ありがとうございます」
二人掛けの座椅子ソファに腰掛けた祥吾は、さり気なく室内を見回す。
生活感はあるが、整頓されているのでちらかっている印象はなく、ちょっとした小物に女性らしさを感じた。
窓際にベッドがあり、枕元の棚には小説と家族写真があった。
(地方から出て来たのかな)
ぼんやり考えていると、彼女に声を掛けられる。
「患部を見ますので、Tシャツを脱いでくれますか?」
「はい」
「いや、そんな大した怪我じゃないので」
本当は普段痛みと縁遠い生活を送っているので、落ち込むほど痛い。
そんな祥吾を見て、女性は少し考えたあとに提案してきた。
「近くに私の家があるんですが、来ますか? 応急処置ならできます。幸い大して深い傷でもなさそうですし」
「ですが、迷惑を掛けます」
祥吾は女性の申し出をありがたいと思いつつ、一旦引いてみる。
「いつ犯人が思い直して戻ってくるか分かりません。その前にタクシーに乗ってこの場を離れ、傷の手当てをして警察に通報する方がいいです」
彼女がやけに冷静なのは、看護師だからなのだろう。
「……じゃあ、お言葉に甘えます」
「素直が一番です」
微笑んだ女性の表情を見て、祥吾は「笑ったら可愛いな」と思っていた。
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タクシーを拾って向かったのは、麻布十番駅近くの賃貸マンションだ。
すぐ近くには病院があり、そこに勤務しているのだろうか。
「狭くてごめんなさい」
1Kの部屋に上がるとベッド、テレビ、ローテーブルなどがあり、こぢんまりとしていながらも綺麗に整頓されていた。
「そこに座っていてください」
「ありがとうございます」
二人掛けの座椅子ソファに腰掛けた祥吾は、さり気なく室内を見回す。
生活感はあるが、整頓されているのでちらかっている印象はなく、ちょっとした小物に女性らしさを感じた。
窓際にベッドがあり、枕元の棚には小説と家族写真があった。
(地方から出て来たのかな)
ぼんやり考えていると、彼女に声を掛けられる。
「患部を見ますので、Tシャツを脱いでくれますか?」
「はい」