魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

「あらあら、わたくしのリリーはかわいいことを言うのね」

「はっ、あの……っ」


どうやらリリーはかわいがられたことや褒められたことがほとんどないらしい。
こうして言葉をかけると彼女は顔を真っ赤にして照れていた。

ルイとロミには嫌がらせは効果がないとわかっているし、ヴィクトールに牽制されたことも大きいだろう。
だけどリリーは別。アナベルを裏切ったと後宮の侍女たちから敵視されていた。
彼女はアナベルに捨てられた自分を救ってくれた。
今でも守ってくれていると思っているのか、シャルレーヌに感謝して尽くしてくれている。
その行動で尚更裏切り者に見えてしまうのかもしれない。

(わたくしのリリーをいじめるなんて気に入らないわ……なんて不愉快なのかしら)

直接手を下せないことが煩わしい。
己の力で決着がつくサンドラクト王国のやり方が好ましいと思ってしまう。


「ルイ、リリーについていてくれる?」

「…………」

「ルイ」

「……。かしこまりました」


不満を露わにしていたルイだが、最終的には了承してくれたようだ。
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