魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
リリーの案内で夕方に散歩をしつつ、部屋から出る回数も増えてきた。
何度かエマニュエルとすれ違ったが、いつも豪華に着飾っていて、パーティーやお茶会と忙しそうにしている。
どうやらヴィクトールのパートナーとして社交の場に出ているらしく、それを誇っているようだ。
だがまったく興味がないため無視でいいだろう。

アナベルは自発的に謹慎中らしい。今は自室で大人しくしていた。

ナタリーはというと気配を消してシャルレーヌたちの後をついてくる。
恐らくヴィクトールの闇魔法について聞きたいことがあるのだろう。
彼女がいた壁には爪が食い込んだ跡がついていた。

ベアトリスはシャルレーヌの体調を気遣うように声をかけてくれた。
侍女も最低限で彼女は真面目に仕事をこなしているらしい。
四人の性格が垣間見えたところで、シャルレーヌが予想もしなかったことが起こった。


「あら、またお客様ですわね」


それが深夜になるとヴィクトールの闇魔法がシャルレーヌの部屋に遊びにくるということだった。
最初は暗闇に紛れて少しだけ。
シャルレーヌが受け入れると嬉しそうにそばによってくる。
だんだんと警戒は溶けていくと犬のように戯れることができた。
それから真夜中は、というよりは恐らくヴィクトールが寝ている間にシャルレーヌの部屋に入り浸るようになった。
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