魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意


「ふふっ、あなたは自由に動けるのね。ここは居心地いいでしょう?」


顔などはないが動きで何を考えているのかがわかる。
まさかナリニーユ帝国に嫁いで、魔法と仲良くなれるとは思ってもいなかった。
ただ困るのは闇魔法が部屋にくると、カラスや蝙蝠たちが近づけないという点だ。

(情報収集ができないのは困りますわね。陛下が起きている間にまとめて報告を受けましょう)

朝方、闇魔法が帰ってから報告を受けて眠りにつく。
ヴィクトールが眠っている間に闇魔法を愛でて楽しむという日々を繰り返していた。


「名前がないと不便ね。いつも陛下からはなんて呼ばれているの?」


問いかけると闇魔法は液体のようになり溶けてしまう。
これは悲しんでいるというアピールのようだ。
つまり名前がないということを言いたいらしい。

(名前を呼びながらかわいがりたいですわ)

シャルレーヌはしばらく考えたあと、ある名前を提案する。


「テネブル、なんてどうかしら?」


シャルレーヌのつけた名前が気に入ったのか、テネブルは嬉しそうに体を揺らしていた。
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