【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
(ヴィクトール陛下だって、わたくしを一番に気にかけているのがわかるもの)

彼は寡黙で何を考えているのかさっぱりわからない。
それに女性に対しては冷たくて距離を感じるが、そこがクールでアナベルは好きだった。
美しすぎる容姿が性格などどうでもいいと思わせてくれる。
それに前皇帝とは違い、女性を侍らすこともない。

きっと彼は一途にアナベルだけを愛してくれるに違いない。そう確信していた。

(闇魔法を使うから、今までひどいめにあってきたのよ。それを聖なる魔法を使うわたくしが救うの……! まるで物語みたいね)

今まで読んだロマンス小説のように、真逆な二人が惹かれあって結ばれる。
ヴィクトールがヒーローでアナベルがヒロイン。
どんな困難があろうとも、その役割は変わらない。

(わたくしが一番になるの。今までわたくしを馬鹿にしてきた奴等を全員苦しめてやるんだから……!)

その思いだけで、妃にまで登り詰めることができた。
今では爵位がある令嬢ですらアナベルの世話を焼き、機嫌を伺うのだ。
つまり自分より下の存在になった。そのことが気持ちよくて仕方ない。
上に立つ快感を知ってしまえば病みつきになっていく。
だからアナベルはこそたくさん侍女を侍らせていた。
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