【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

困ったように頬に手を当てているシャルレーヌを見ているとアナベルは今まで感じたことのないような怒りを覚えた。
しかしここで彼女のペースに乗ってしまえば負けてしまう。
侍女たちの前だからと咳払いをして表情を取り繕った。


「それは治療を断るというでしょうか?」

「はい、そうですわ……コホッ」


アナベルはシャルレーヌが咳き込んだのを見逃さなかった。


「このくらいの症状であれば、わたくしの力ならば簡単に治療できますから!」

「折角ですが、お断りいたします。このままでいさせてください」

「苦しいままでいることないですわ。折角、ナリニーユ帝国に来たのにもったいないですわ」


このままでは引いてしまえば意味がない。
けれどここまで拒否されてしまえば、どうすればいいかわからなくなってしまう。

(わたくしの計画がバレたとでもいうの? そんなわけないわ……!)

ここでアナベルはあることを思い出す。
シャルレーヌは魔法をほとんど見たことがないのではないだろうか。
それに侍女や侍従たちが傷つけられたこともあり、ただ警戒しているだけなのかもしれない。
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