【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

「サンドラクト王国では攻撃してきた相手とは命の駆け引きをいたしますの」

「……っ」

「どんな立場でも関係ありませんわ。強さがすべて……」


シャルレーヌから放たれる威圧感にアナベルは何も言えなくなった。
魔法を使うこともできず、病弱でこんなにもひ弱そうなのに、彼女に圧倒されて何も言葉を返せない。
アナベルは攻撃魔法をまったくといっていいほど使えない。
他の妃たちとは違って戦闘能力はほとんどなかった。
病を治せるだけで、他は何もできないのだ。
魔導具を頼るしか攻撃手段を持っていない。
侍女たちに助けてもらおうと振り向くと、恐怖からか震えて抱き合っているではないか。


「ですが、ここはナリニーユ帝国……残念ですわ」


つまりここがナリニーユ帝国でなければ、間違いなくアナベルたちはこの場で殺されていたといいたいのだろうか。

(な、なによ……! このわたくしを殺そうとするなんて信じられないっ)

今までそれで十分だと思っていた。
アナベルの力は特別なものだ。帝国が守るべき財産でもある。
それを害するものはこの帝国にはいない。
だけどシャルレーヌは関係ないとばかりにアナベルを攻撃しようとした。
先ほどの恐怖は薄れて、今は自分を守ろうと必死だった。
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