【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
「こ、このことは陛下に報告していただきますから……!」

「あら、報告されて困るのはアナベル様の方ではなくて?」

「そんなわけ……」

「先にわたくしの頬を打ったのはあなたでしょう?」

「……っ!?」

「わたくしに非がありまして?」


シャルレーヌはほんのりと赤くなった頬を押さえる。
アナベルの唇が微かに動く。
このまま彼女にこのことを誰かに伝えられてしまえば、追い詰められるのは間違いなくアナベルの方だ。
アナベルは絶望して膝から崩れ落ちそうになっていた。


「アナベル様の侍女たちも見ておりましたよね?」


シャルレーヌの唇が綺麗に弧を描きつつ、侍女たちに問いかけると彼女たちの体がピクリと動く。
アナベルは引き攣った表情で侍女たちをじっと見てから、首を微かに横に振った。
それは無意識だったが、侍女たちは予想外のことを口にした。


「くっ、暗くてよく見えませんでした」

「私もですっ、アナベル様がそんなことするわけありませんもの……!」

「あなたたち……!」
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