パフェの魔法:それは、あなたが望んだ物語
 二階の窓辺にゴンドラがぴたりと横付けされると、王たちは目を丸くしました。
 現れたのは、おどろおどろしい魔女などではなく、あまりに場違いで可憐なパフェの姿だったからです。

「ジャンボ(こんにちは)!」

 パフェが朗らかに挨拶をすると、王は恐る恐る尋ねました。

「……貴殿が、我が国を救いに来てくれた魔法使いか?」

「ご紹介が遅れました。王様。パフェと申します。そしてこちらは私の友人『ミスター・フランク』……おっと、忘れるところだったわ。フランク、ご褒美を」

 パフェが軽やかに指を鳴らすと、フランクの目の前に真っ赤に熟した「柘榴(ざくろ)」が、ぽっかりと浮かび上がりました。

「こ、これは……私の大好物」

 その実を見た瞬間、フランクの頬から獣の髭が『にゅっ』と突き出しました。
 理性を忘れた彼は、あっという間に人間の皮を脱ぎ捨て、服を着た巨大な狼の姿へと戻ってしまいます。

 フランクは豪快に柘榴にかぶりつき、口の周りや鋭い爪を真っ赤な果汁で染め上げました。
 その奇怪な光景に、兵士たちは押し殺す悲鳴で後ずさります。

「うっ。なんと」
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