響け!涙のペザンテ
「ふぅ……」

客室に戻ったレオンハルトは息を吐く。バスルームでシャワーを浴び、パジャマに着替えた彼はソファに座り、事務所から持ってきた本を取り出した。持ってきたのは「名探偵セドリックシリーズ」である。

「この小説からリズのことがわかるなんて、思いもしなかったよ」

リズは今何をしているだろうか。レオンハルトはページを捲りながら思う。リズのことを想うだけで胸が苦しくなり、今すぐに会いたくなる。その時だった。

『どれだけ魔力を隠しても、魔法の痕跡を消したとしても、全てわかってしまう魔法があったとしたら?』

古い記憶が唐突に蘇った。レオンハルトが学生の頃、教師が言った言葉である。全て真実を明らかにしてしまう魔法。森の中に隠した一枚の葉を見つけ出せる魔法だ。

「古代魔術を使えば、あの警察官の事件は解決できる!」

レオンハルトは立ち上がり、すぐにギルベルト宛てに手紙を書き始めた。





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