【blue】
「そういえばさ、お前」


涼太は吸っていた煙草をあたしの方に向けた。


「泣いてただろ」


あたしは言葉に詰まった。


「えっ?那智そうなの?」


さゆはあたしと涼太の顔を交互に見回した。


あたしが困ってると涼太がまた笑った。


「泣いたり、ひきつったり面白いな。お前」


遠くからザワザワする声が聞こえてきた。


「キャー涼太が居るよー。握手してもらおう!」


涼太に気付いた子達がこっちに走ってきた。
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