せっかく凡庸な彼女が自ら身を引いてくれたのに、天才魔術士はそれを許すつもりがないようです

4. 図書館

 魔法学園の合格通知を受け取ってから最初の休日がやってきた。

「おはよう、セシル」

 ベッドの中で、セシルを抱きしめる。
 平日と同じように。
 けれど、意味合いは全く異なる。
 一日分の英気が必要な平日とは違って、これはただただ愛情を伝えるための行為だ。

「おはよう、ママ。ねえ、朝ごはん食べたら、すぐに図書館に行く?」
「図書館はそんな朝早くからは開いてないわよ」
「えー、僕待てないよ」

 約束をして以降ずっと楽しみにしていたのだろう。
 今日はジェシカが起こす前から、しっかりと目を覚ましていた。
 本音を言えば、ジェシカはもう少しゴロゴロしていたかった。
 けれど、それを許してもらえそうにはない。

「朝ごはんのあと、いいお天気だからお洗濯して、それから出かけようね。手伝ってくれる? そうしたら、あっという間に時間なんて過ぎちゃうわよ」
「僕がんばって、早く終わらせる!」

(それだと、やっぱり図書館の開館まで時間がもたないんだけどな)

 子どもらしいセシルの無邪気さが可愛くて、ジェシカはクスッと笑ってしまう。

「ほら、ママ! 急ごう?」
「はーい」

 明るい気持ちでベッドから出た──

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