光王子と月夜のシンデレラ
「あの夜だって、昨日のギャラリーだって、今の学食だって、何なら俺の特待生の件だって……見て見ぬふりをできるのに、しないでちゃんと誰かを助けてる。避けてるとか言いつつも、人を大事にしているんだと思うよ」
「そんな……」
「あと、史郎のことも最初から抵抗なく受け入れてたし、俺のこの態度だって何も言わなかった」
「それは……しいちゃんは素敵だし、今宮くんのことも最初は驚いたけど、根っこが優しいのは変わらないし……」
「それ。そうやって相手を認めて受け入れるってなかなかできないから。クラスのヤツらの特技だって、妬んだりする人もいる中で、あんたはいつもすごいって見てて……」
「い、今宮くん!も、もういいです……ありがとう……」

これ以上は嬉しくて爆発してしまいそうで。
今宮くんはそんな私をわかっていて、面白がるようにニヤリと微笑んでいる。

「もっと言えるけど?」
「……もう!十分です」

ははっと悪い笑い方をしながら、「ほら、早く食べな」と促してきた。
気づけば昼休みもあと少し。今日も私は急いでオムライスを口へ運ぶ。

「クラスでもそうやって堂々としてればいいのに」
「い、いや……私は勉強も運動も真ん中以下だし、お話もうまくないし、特技も別に……今回はたまたま役に立てましたけど、クエストとかでも使えませんし」
「何であんたはそんなに自己評価が低いんだよ」

もったいな、と呟きながら今宮くんは窓の外を見ている。
私からしたら、むしろ今宮くんの私への評価が高すぎると思う。

「今宮くんだけですよ……そうやって受け入れてくれるの。ありがとうございます」

すると、今宮くんは私の机の前に来て、頭の上に手をポンと置いた。…

わ……これがウワサの頭ポンポン……?

……と思ったら、そのまま私の頭を掴むように軽く下へ押してきた。

ポンポンじゃなくてグリグリ……

「……それは俺のセリフ」
「え……何か言いました?」

手を離してくれたので顔を上げると、今宮くんは食べ終わった私のトレーをひょいと持ち上げた。

何て言ったのか聞こうと思った時には、今宮くんはトレーを持って教室を出て行ってしまった。
と同時に、予鈴が鳴ったので私も慌てて空き教室を出る。

ええ……なんなの……
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