光王子と月夜のシンデレラ
驚いて顔を上げると、そこにはグレーのスーツを着た20代くらいの若い男の人がいた。
ワイングラスを片手に立っているのが様になっている、大人な男性だ。
「気づいてない?彼、君のそのスリットから見えている足を隠すように、ずっと君の左側に立って離れなかったんだよ」
「ええ……なんで……」
「今も、中央の料理台に行って人目に触れるのを避けるために、君をここで待たせたんだろうね」
「あはは、そんなわけ……」
「はい、取ってきたよ」
愛想笑いをした時、私とその男性の間に割って入るように、今宮くんが戻ってきた。
「あ、ありがとう……」
真顔で何だか少し怖いような。そして間に入ってきたから狭いし近い。
一歩隣にズレようとすると、今宮くんが私の腰に手を添え、それを妨げた。
「俺の彼女に何か?」
……!
またこのパターン!
クエストの先々で付き合っているフリをする約束なんてしてたっけ?
こちらは色々とキャパオーバーなので、せめて事前に「今日はこんなセリフを言うから」と教えてほしいくらいだ。
「おお、失礼。可愛い女性がいると思ったら、やっぱり彼氏がいたんだね」
「ええ」
「ふっ……若いっていいね。では邪魔者はこの辺で失礼するよ」
これまた昨日言われたようなセリフを言いながら、男性は去って行った。
今宮くんがこちらを振り返る。
「何もされてない?」
「全くもって大丈夫です」
「……さっきの酔っぱらいもそうだけど、簡単にそそのかされちゃダメだよ」
……はい?
そそのかされてなどいないのですが!
ムスッとしている今宮くんに対抗するように、私もムスッとしながら持ってきてもらった料理を口に入れる。
……!
この料理……
飲み込む前、口に含んだだけで違和感を感じる。
嫌な汗がじんわり出てきて、ちょっとマズいかも……と思い、今宮くんの腕を掴む。
私の様子がおかしいと思ったのか、今宮くんは心配そうな顔をしてくれている。
「ちょっ……大丈夫?」
「今宮くん……これ、食べちゃダメです……」
「とりあえず、一旦外に出るよ」
そう言って私の腰に手を添えながら支えてくれるように歩き出した。
さっきとは違う、温かくて優しい触れ方。
私も不審がられないよう、極力平静を装って、今宮くんに連れられ会場を出た。
ワイングラスを片手に立っているのが様になっている、大人な男性だ。
「気づいてない?彼、君のそのスリットから見えている足を隠すように、ずっと君の左側に立って離れなかったんだよ」
「ええ……なんで……」
「今も、中央の料理台に行って人目に触れるのを避けるために、君をここで待たせたんだろうね」
「あはは、そんなわけ……」
「はい、取ってきたよ」
愛想笑いをした時、私とその男性の間に割って入るように、今宮くんが戻ってきた。
「あ、ありがとう……」
真顔で何だか少し怖いような。そして間に入ってきたから狭いし近い。
一歩隣にズレようとすると、今宮くんが私の腰に手を添え、それを妨げた。
「俺の彼女に何か?」
……!
またこのパターン!
クエストの先々で付き合っているフリをする約束なんてしてたっけ?
こちらは色々とキャパオーバーなので、せめて事前に「今日はこんなセリフを言うから」と教えてほしいくらいだ。
「おお、失礼。可愛い女性がいると思ったら、やっぱり彼氏がいたんだね」
「ええ」
「ふっ……若いっていいね。では邪魔者はこの辺で失礼するよ」
これまた昨日言われたようなセリフを言いながら、男性は去って行った。
今宮くんがこちらを振り返る。
「何もされてない?」
「全くもって大丈夫です」
「……さっきの酔っぱらいもそうだけど、簡単にそそのかされちゃダメだよ」
……はい?
そそのかされてなどいないのですが!
ムスッとしている今宮くんに対抗するように、私もムスッとしながら持ってきてもらった料理を口に入れる。
……!
この料理……
飲み込む前、口に含んだだけで違和感を感じる。
嫌な汗がじんわり出てきて、ちょっとマズいかも……と思い、今宮くんの腕を掴む。
私の様子がおかしいと思ったのか、今宮くんは心配そうな顔をしてくれている。
「ちょっ……大丈夫?」
「今宮くん……これ、食べちゃダメです……」
「とりあえず、一旦外に出るよ」
そう言って私の腰に手を添えながら支えてくれるように歩き出した。
さっきとは違う、温かくて優しい触れ方。
私も不審がられないよう、極力平静を装って、今宮くんに連れられ会場を出た。