光王子と月夜のシンデレラ
「ここがベリー中学校か」
「綺麗だね」

男子チームと合流し、ベリー中学校に着いた。
すでに始まっているから賑やかで、屋台なども出ていて文化祭のような雰囲気だ。

男子の制服は学ラン。
うちの学校は男女ともにブレザーだから、これまた新鮮。
そして変装で今宮くんは髪をワックスで横に流して、メガネをかけている。

えっナニコレ……かっこよすぎです。さすがキラキラ王子……

「今日、これを付けてもらえない?」
「これは……?」

そう言って松永くんが取り出したのは、人数分の腕時計と、丸い小さな宝石のようなもの。

「この時計はGPSが入ってて、お互いの居場所がわかるようになってる」
「へぇ。この丸いのは?」
「これは、簡単に言えば無線……インカムって言う方がわかるのかな」
「こんな小さいのが?」
「うん。マグネットで耳タブにはさんで付ければイヤリングに見えるはず。相手の音が聞こえるし、話せば相手に聞こえる」

すごい、直径1センチもないような小ささなのに……

「別行動の可能性もあるかなって思って。基本はスマホでいいと思うけど、念のため」
「すごいな、ありがとう」
「そういえば、何がすり替わるかはわからないんだよね?」
「うん、ごめん。「次はベリー中ですり替え」っていうワードだけが聞き取れて」
「謝る必要ないよ、むしろありがとう」

それぞれ取り付け、いよいよ校門をくぐる。


ベリー中はお金持ちの人が通う学校なだけあって、校内は綺麗で、至る所にアート作品が飾られている。
新菜ちゃんもアート作品が好きらしく、前方で今宮くんと盛り上がっている。

そんな2人の姿を見て、また胸に何か突っかかる感じがしてくる。

「何か、モヤモヤする感じ?」
「えっ!な、なんでわかるんですか?」
「ははっ、その理由教えてあげようか?」

成沢くんがニヤリと微笑む。なんか……今宮くんと似ているような。

「教えてあげるから、俺に敬語やめてみようか」
「えっと……う、うん」
「これからもそうしてね。じゃあ耳貸して……」

内緒話をするように、成沢くんは少しかがんで私の耳元で話す。

「それはね、ヤキモチだね」
「ヤキ……」
「何してんの」

声のする方を見上げると、今宮くんが立っていた。

「佐倉のインカムがずれちゃったから、直してあげただけだよ。な?」
「う、うん」

返事をした時、今宮くんが少し怪訝な顔をした気がするけれど、気のせいかな。

「ズレてる……」
「新菜ちゃん?」
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